ミニロトを外れ続けて15年。いま現在も、毎週予想・毎週購入を継続中。この継続が自分にとって良いことか悪いことかはわからない。でも、この漫画に強く激しい影響をうけた「おかげ」だというのはわかる。
特に4巻、「確率のパラドックス」と「ダンゴ現象」の話に感銘を受けていて、何年たっても頭から離れない。
当時「スーパーヅガン」「ぎゅわんぶらあ自己中心派」など、ギャグ系の麻雀(マージャン)まんがしか描いてなかったはずの「片山まさゆき先生」。
なぜか突然この「ノーマーク爆牌党」だけは、ただの麻雀まんがではなくスポ根・成長の物語、そして青春群像劇として描きたかったようだ。
log・考察
1巻;始め手探りだんだん鋭く
ノーマーク爆牌党 (1)
爆岡弾十郎、鉄壁保、当大介、九連宝燈美
主要人物は4人。名前だけでおおよそのキャラが判るようになってる。
ポトミは よくわからんけど、恐らくは、構想時の設定から途中でキャラを変えたのだと推察している。
- 爆岡 弾十郎
ばくおか だんじゅうろう - 鉄壁 保
てっぺき たもつ - 当 大介
あたり だいすけ - 九連 宝燈美
きゅうれん ぽとみ
このキャラ名はどうみてもギャグ系。このあと よくシリアス路線でうまくやれたものだ。それにしても「ポトミ」ってすごい。
冒頭は、まだぜんぜん ふざけた感じ。幻の名作になる雰囲気は感じられない。爆岡のおでこのバンソコーも、だぶんキャラ造り。裏設定とかは無いと思う。まだ後半の展開は具体化していないのだろう。大介のこともウマげに描いてる。
第一打 爆牌はどうなんだろうか。後半で理屈を 後付けしているようにも見える。けど、強引でも見事に深みへと昇華しているように感じた。
第3話、問題の第一打ドラ切り爆牌。
でも、第4話ではもうイメージが固まってきている。「爆牌って どうゆう牌かな?」と問われ、こう答えた。
ピントを合わせる牌さ
そして、鉄壁クンの
爆守備!
「爆牌」vs「爆守備」のプロットになっていく。その対局は実にドラマチック!
大介の「爆役満」や、宝燈美の「爆テンパネ」も、この第1巻で出そろい、少しづつ、全貌が出来上がってゆく。
よくわからない世界のリアルとギャグ
本筋には関係ないが、いわゆる特訓のシーンがあってその方法が素人目にも本格的。配牌13枚をパッと見て記憶し、すぐに伏せてすべて言い当てるって方法だ。
たぶんプロを目指す人たちや、プロもやる上達の方法なんだろう。片山さんご本人もきっと本気で上達したかったんだと伝わってくる。
こんな堅い雰囲気も出しながら、しっかりギャグも入れてくる。どら道楽のカッパ店長は、ギャグによる緩和とみせかけた手抜きのようにも思えた。
どら道楽のカッパ店長
2巻;役者が出そろう!
ノーマーク爆牌党 (2)
爆守備 成長期
序盤の「爆守備」はまだ成長期。まだカッコ良くはない。これから悩み苦しみながら だんだん成長して、最後の方はメチャカッコ良くなっていく。
鉄壁クンの「爆守備」には強くあこがれるが、止めた危険牌にしっかり後のツモがついてきて、かつ最後に上がれるってのは..
自分の場合は、いったん回せば、どんどん崩れてバラバラになっていく記憶しかない。十回降りたら、そのうち一回とか、こういう事もあるのだろうか。タコツッパリ(笑)ばかりやってる自分には経験できない世界なのかもしれない。
これは、守備と言っても攻めの一種だな。いつかやってみよう。💨爆守備だ!
重要人物でそろう 八崎プロ、茶柱プロ
絶対的打法「牌流打」の茶柱プロ
そろそろ、主要わき役たちのキャラが立ち始める。
- 茶柱 立樹
ちゃばしらたつき - 八崎 真悟
やつざきしんご
八崎氏の「伝説気質」はすごくおもしろい。自分としては一番カッコイイ役柄かもしれないとも思ってる。最終戦での見せ場がシブくてかっこいい。
伝説気質の八崎プロ
そして鬼押出(おにおしだし)氏。この世にツキや流れ、勢いなんてもんは絶対にない!と言い切る確率論者。『偶然の中を泳ぐための科学』をうたう人。
茶柱くんよりも、こっちの方が「絶対的打法」と呼ぶにふさわしいと思える。
麻竜王 鬼押出氏
3巻;ストーリーの輪郭が整う
ノーマーク爆牌党 (3)
「ただのシロウトじゃない」
「爆役満」が正式認定される瞬間。大介の役満に、並み居るプロたちが一目置を置くシーンがいい。「ギャハハ」って笑い方をさせたチョイスもいい。サイケデリックな感じすら出てる。
「爆牌の正体」をチラ見せ
爆岡インターバルの回で、チラッと「爆牌」の正体を見せる。この複線的な見せ方もイイ。何回も読んではじめてわかった。
その後、爆岡は本領を発揮。
麻雀に流れなんてないよ
と、言い放つ!
「見える」ヤツにはそう感じるのかもしれない(´-`).。oO
爆岡の強さと孤独、大介の役満システム、ストーリーに必要な骨格が少しづつ整ってきているのを感じる巻。
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4巻;爆牌理論1
ノーマーク爆牌党 (4)
鉄壁クンが爆岡に挑戦できるまでに3年かかったという設定がいい。1年でも5年でもなく、3年がちょうどいい。欲を言えば、この3年をもっとたっぷり描いて欲しかった。
ここからは、シリアスな 鉄壁クンと爆岡のライバル模様となっていく。ふたりのコントラストの描きがカッコイイ。
なんだかんだ鉄壁クンを気にしている爆岡の切ない感じと、爆岡に焦がれる鉄壁クンの構図がイカス。
これは、鬼押出氏と鉄壁クンの議論。後で気づいたんだが、鉄壁クンは目前の鬼押出氏と話しているようで眼中にはない。3巻で「流れなんてないよ」と言い放った爆岡と対話してるのだ。きっと。
ビーズのダンゴ現象で偏りの存在を説明し、ルーレットの例えを「総体数は決まっているようなもんだ」と言い放つ。
結論はこうだ!
言い切る。カッコイイ..
ちなみに、このあと「爆牌」を理論的に構築している様子もカッコイイ。爆岡が鉄壁クンとの対戦を前に緊張しているシーンもイイ。
そして、直接対決が始まる。
5巻;気配 激しく
ノーマーク爆牌党 (5)
謎の爆岡
爆岡が、
❝人知れず対戦相手を必死に分析している❞ のは嘘だと言い、
「俺様は天才だ。努力なんかしたことねぇ」と言う。
本当にウソかどうかは読者の想像にゆだねらる形。自分としては「努力を隠してる」と思っている。
爆守備と色の支配
鉄壁クンの成長をアリアリと見せつけるための巻。
- もう素人ツキにも負けなくなってる
- 守らせたら日本一
- 悔しさをバネにできてる
そして「色の支配」。
4色の牌でひとり麻雀をする発想はいいね👍片山先生、本気モード。
最高の4人
第19回 満強位戦🀄決勝
このあたりから、激しくおもしろくなりそうな気配がビンビン伝わってくる。
八崎氏と、茶柱氏のキャラも完全に固まっている。このお話で考えられる最高の組み合わせ「最高の4人」だ。
知的、かつ情熱的🔥エキサイティング!
6巻;覚醒の鉄壁
ノーマーク爆牌党 (6)
鉄壁クンが「色の支配」を駆使する場面。自分が上がるためではなく、茶柱氏に上がらせるために使う。シブイ!
受けた茶柱氏もそれに応え、ふたりで八崎氏の勢いを止める。「色の支配」と「牌流打」、なんか似てる。最高のコンビネーションではなかろうか。
鉄壁クンのドヤ顔が良い
そして、鉄壁クンの覚醒。
まさに覚醒と呼ぶにふさわしい「爆牌」!
この場面はさすがにたまげた。シビれた。
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7巻;爆牌理論2
ノーマーク爆牌党 (7)
前巻から、爆岡の顔が険しくシリアスになってる。ライバルへの恐れを表現しているのだろう。
「ランダム爆牌」の理論をチラチラと展開し始めてる。この理屈には正直シビれる。
鉄壁クンの一徹なスタンスにもシビれた!やはりカッコイイ。
当 大介の存在は大きい。いい具合に緊張を緩めてくれる。絶妙だ。それでいて、爆岡が実は一目置いている事がわかる。
変わらず、自由に、気楽に、麻雀をこころから楽しむ大介を慕い、羨んでいるようにも見える。まるで楽しめなくなった自分を哀しんでいるよう。
この巻、鉄壁クンをメンツから抜いて大介をぶつけている。これは、鉄壁クンを爆岡の背後に置き、爆牌の研究をさせるストーリー作りだろう。ラストクライマックスに向け、読者へ「爆牌」の仕組みを説明しいきたいわけだ。きっと。
8巻;最高の5人
ノーマーク爆牌党 (8)
前哨戦(予選)
八崎氏と大介の勝負。これは期待できる。その勝負と並行して、鉄壁クンと八崎氏のポリシーを対比する場面。
「意思」と「流れ」
どちらも説得力がバツグン。
八崎氏がカッコイイ。
「爆守備」は究極。
最高の5人
最後の勝負「達人戦」
- 爆岡
- 鉄壁
- 大介
- 八崎
- 茶柱
このストーリーで考えうる最高の5人。
初戦は「爆守備」と「色の支配」、鉄壁の半荘。
2戦は、「完全なる」八崎氏の半荘。
最後の決めゼリフが実に彼らしくカッコイイ。
リードとは守るものではない。広げるものだ。
9巻;最終決戦
ノーマーク爆牌党 (9)
全編を通じて初めて茶柱氏がとても格好いい。クールな感じで静かに近寄り、ドンと逆襲する。3戦は、「華麗なる」茶柱氏の半荘。八崎氏は「だし」に使われる。ファンとしては少し残念。
次4戦は、爆岡の半荘となるが、真っ先に八崎氏がつぶされる。可哀そうに。茶柱氏もつぶされて、鉄壁クンも惜敗。「震撼する」爆岡の半荘。
そして、爆岡の芸術的な麻雀をだいなしにする男。へたっぴ爆役満の大介。でも実は、強豪たちに一目置かれている。「この俺が強すぎるのだァ~~!」爽快かつ笑える🤣 大介の半荘。
最高の4人
最終決戦開始の扉絵。
みんな連載開始当初とは ずいぶん雰囲気が違う。それぞれみんな格好イイ。ストーリーが進むうちに、個々のキャラクターが確立されている。
ピントの話、フォーカスの話
いよいよ鉄壁クンが、「爆牌」の仕組みを丸裸にする。
この例えもすごく好い。
ラスト
鉄壁クンが「爆牌」を解明。
あせる爆岡。
くずれる鉄の意志。
うなる「爆守備」。
見出す「支配色」。
鉄壁クンの持てる全て。
培ってきたもの。
ベタオリさせたら日本一。
だが最後の最後に、爆岡💨渾身の「爆牌」!
そして決着へ。
所感
片山さんの作品は大好きだが、全巻そろえるとか、通しで読むことはなかった。
麻雀まんが雑誌とか、喫茶店にあれば好んで読む程度だったが、ノーマーク爆牌党だけはドハマりして度重なる引越しにも耐え、何年も何回も読み続けた。
爆岡がカッコよかったし、八崎氏もシブい。なにより、爆守備のコンセプトが好きだった。今でも。
爆守備は
自分の不ヅキを誰れのせいにもしない
自分の不ヅキを甘受する打法
映画について
観たけど...
アマゾンプライム会員だから無料ですぐ観れたけど。
う~ん...これはちょっと。演者たちが可哀そうに思えた。作り手側がアカンと思う。