お客様第一、ユーザーファーストは当たり前の話。ではどのように ユーザーへ最高のものを届けるのか。
最近の主流は、ユーザーに寄り添って、ユーザーの意見をよく聞くこと。ユーザーが何を欲しているのか、ユーザーの立場に立って考えるのが良いとよく目にする。
でも、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」。寄り添うのは大切だけど、媚びることになってはいけない。
さじ加減は難しいんだろうけど、製品を開発提供する側が市場を引っ張る、この考え方が理想で大切だと思う。
そしてそれを体現したカリスマが、「スティーブ・ジョブス」だと世間では言われてる。この評伝を読んで、どういう人だったのか知りたい。
log・考察➊
ジョブズの世界
理系と文系のあいだ
スティーブさんは子供の頃、「自分は文系だ」と思っていたそうだ。その後、理系へ転身したという。自分とは逆だ。
自分では子供の頃、「自分は理系だ」と思っていた。学校を出て会社で働き始め、数年で「自分は文系だった!」と後悔した。今もその思いは強い。
でも、「はじめに」でいきなり書いてあったこの言葉は嬉しい。
文系と理系の交差点に立てる人にこそ大きな価値がある
まぁ、自分が立てるは思えんが、頑張ろうとは思えた。
ジョブズの世界
口絵のページだったが、写真が複数。それぞれに小文が添えてあり、そのいくつかに心をひかれた。
ジョブスは完璧主義すぎて、家具がなかなか選べなかった
1982年、クパチーノの自宅にて
欲しいモノを見せてあげなければ、みんな、それが欲しいかなんかわからないだ
1982年、アップルのオフィスにて
人文科学と技術の交差点で生きるのが好きなんだ
2004年、パロアルトの自宅の仕事部屋にて
悪童たちの時代(考察)
・ジョブズ
小学生のときに「先生の椅子の下に爆薬をしかけた」って、いたずらじゃ済まんやろ。普通。先生は引きつけを起こしたらしい。かわいそうに。
ちなみにジョブズが小学3年生、8歳くらいでの話らしい。このいたずらが、どれだけの問題になったかは書かれていない。下手したら相手の命にもかかわる。親だったらメチャメチャに叱ってしまうだろうな。
もし、この「爆薬事件」が天才の片りんであったとしても、親はしっかりと激しく叱っておくべきだ。叱られた経験も含めて才能が開花するのだと信じたい。
もし自分の息子がジョブズのようにわがままで、学費がバカ高ろうが「行きたい大学にしか行かん!」と言ったらどうするだろうか。
「それなら大学に行かんでもいいよ」なんて言ってしまうだろう。ほんとにジョブズの親御さんはえらいわ。マネできんね。理由や動機、状況によるかもしれんけど、正しく冷静に見極めできるようになりたい。
若い頃はずいぶん破天荒な生き様であったようだ。決められたカリキュラムを受けたくないから大学を辞め、辞めたあともその大学へ通う。好きな授業にだけ自由に出入りし、好奇心を満たす。ハッキリ言って成功していなければ、ただの「感じが悪いヤツ」である。
・ウォズニアック
校長先生はオモチャの爆弾を抱え、校庭のど真ん中、命がけで配線を引きちぎったらしい。アメリカの子供はこんなにいたずらが酷いのか?ちょっと笑えないレベルだな。校長先生かわいそう。
こうやって聞くと笑い話だけど、もし自分がやられたら絶対許せないだろう。
でも校長先生は、命がけの行動で度胸がついたというか、人間としてひと回り大きくなったんではないだろうか。結果的に。
命をかけて生徒を守ったんだからね。なかなかできないと思うよ。
「カチコチ」いっている爆弾を抱えて校庭の真中へ走り、配線を引きちぎる。生徒を守るために。この本じゃなきゃ、この校長先生がヒーローやろ。
他にも、キッシンジャーの名をかたって「ローマ法王へいたずら電話」したんだとか。どんだけやねん。
「偉大な人はいたずらもビッグだ」...なんて思えばいいのだろうか。考えられん。理解できん。異世界やな。
目の前にいたらあまり関わりたくないタイプではなかろうか。
ヘンリー・キッシンジャーって誰?
1923年、米国の政治家・政治学者。ドイツの生まれ。
1938年、米国に移住。大統領補佐官・国務長官として、米中関係の打開、ベトナム和平の実現などに活躍。
1973年、ノーベル平和賞受賞。著「回顧録」。
引用元;デジタル大辞泉
はた迷惑なスゴイひと
ウェイン哀れ
apple1の写真、ネットで一生懸命探した
今のところ、ジョブズの才覚よりも ウォズの能力を際立てて書いてある。ジョブズはただの商人って感じ。
ウェインは、序盤でビビってパートナシップを抜けた。この人、哀れすぎるやろ。
もし抜けなかったらapple1の誕生で、出資金800ドルが 26億ドルになっていたらしい。
当時の日本円で言うと、「24万円が、7540億円になってたはずなのに」って話だよね。
これはヘコむ。本人は後悔していないと言っているそうだが😭そんなのウソにきまってるやろ。強がりだ。自分をごまかして、表層だけででもそう思えるまで何年、いや何十年かかったんだろう。テレビでジョブズを見るたびに、iフォン見るたびに悔しさが甦ったはずだ。たぶん何年たっても。
そりゃ、パートナーがバンバン無謀な借金したらビビるよね。よく分かるよ。これは、才ある人間に巻き込まれた災難だな。哀しすぎる。
たぶん、いや絶対、ウェインは アンドロイドを使ってたと思う。下手したらスマホすら使わなかったかも。
わがまま不潔わからず屋
ここまでのところジョブズは、わがままで、不潔で、わからず屋、品性がなく、失礼、「誰からも嫌われる存在」にしか見えないよ。評伝にあるまじき主人公の扱い方だ。まぁ、正直と言えば正直。ウソはないだろうな。
そんな中でもいい言葉があった。
完璧を求めるなら見えない部品もきれいに仕上げなければならない(ジョブズの義父)
洗練を突きつめると簡潔になる(レオナルド・ダ・ヴィンチ)
赤裸々すぎん?
認知するとかしないとか、オレの子じゃないとかDNA鑑定とか。ひどい章やったな。読むに堪えんわ。読んだけど。
まぁ有名人になれば、隠しておきたくてもいずれバレてつつかれるんやし。無責任なマスコミに盛られて騒ぎたれられるよりかは自爆的にさらけだした方がましか。ある意味かしこい🐒ズルがしこい。
しかし、
こんなバカやってきたジョブズのくせに大人になって成功した。多くの人たちから尊敬され、日の当たる場所で活躍できた。大学の卒業式で偉そうに説教たれて、名言なんてありがたがられたり。若い頃の失態を時々想い出してしまい、うなされる自分😣にとってはある意味救いとなる事例かな。比べられないほどスケールが違ってて参考にできんか。
PC誕生を加速させた
個人向け電算機=パーソナルコンピューター=PC誕生は、ジョブズがいなくても必ずしていただろうね。そして、爆発的に加速させたのは間違いなくジョブズの性格の悪さだ。と、書いてある。これが言いたくてここまでの赤裸々告白はあったんだな。布石というか、いい訳というか..。
でも、やっとおもしろくなってきた。ここまでガマンして読んできてよかった。
!いい言葉( ..)φ
未来を予測する最良の方法は、自分で作り上げることだ(アラン・ケイ)
優れた芸術家はまねる、偉大な芸術家は盗む(ピカソ)
新しいアイデアだけでイノベーションが生まれる訳ではない。そのアイデアを現実とする行為も等しく重要なのだ。(この本書いたひと)
ユーザーが気持ちよく感じるようになければならない(ジョブズ)
できる⇔わがまま紙一重
ジョブズは「わがまま」の度合いが突き抜けているから、この時 この時代にマッキントッシュを立ち上げることができたのだろう。そういう意味で、ジョブズにしかできなかったと認めざるを得ないな。
逆に見ると、
少しでも時代がずれていたら彼はただの「イヤな奴」「嫌われ者」で終わっていたと思えてしようがない。ここに出てくるラスキンの手紙もウソだとは思えない。
だが、
ラスキンは失敗し、ジョブズは大偉業を成し遂げた。
ーブは昔から好きな人物ですが、彼の下で働くのは無理だと痛感しました・・・・・ジョブズは約束を良く忘れます。これはあまりに有名で、定番ジョークになっているほどです・・・・・よく考えずに行動したりおかしな判断で行動したりします・・・・・他人の功績を認めるべき時に認めません・・・・・新しいアイデアを提示されると、意味がない、あるいは馬鹿らしいとすぐに否定し、そのようなことは時間の無駄だと切り捨てます。これだけでも管理者としては失格ですが、そのアイデアが優れていた場合、それを自分のアイデアであるかのように他の人々に話すのです・・・・・他人の話は腰を折り、聴く耳を持ちません。
ラスキンの手紙
身のまわりにも、似た人の一人や二人はいる。ただ、悪い人じゃないんだよ。ジョブズも、もしかすると会えば悪い人じゃないかもしれない。
ホンモノの唯我独尊
嫌な奴だと言い続けてきたが、こんな奴は自分の身の回りにもよくいる。人の言う事をすぐに否定し、他人の話は腰を折り、聴く耳を持てないタイプ。
困ったヤツだが、不思議と嫌な奴ではないことも多い。でも、もし仕事が出来なかったら嫌なヤツだと思ってしまうだろう。
ジョブズの場合、わがままも成果も突き抜けてる。だから「嫌われない」どころか『偉大』と感じられているのだと理解した。
『現実歪曲フィールド』と呼ばれるまで大きく育った「突き抜けたわがまま」。悟りを開く前の状態『唯我独尊状態』なのかもしれない。
メカメカしいのも好き
この章では、
「形態は機能に従う」を否定して、
「形態は感情に従う」を全面的に肯定したいらしい。
ジョブズが、一世を風靡していたソニーのメカメカしいデザインを否定した過程でそれを表現しようとしている。ちょっと納得できない論。
なぜなら『機能をとことん追求した結果として、形状が美しくなる』と信じるからだ。
戦闘機やスポーツカーをつい格好イイと思ってしまう人達はみんなそうではなかろうか🙄流線形であったり、表面の凹凸を極限まで取り払うというのは機能・性能を極限まで追求した結果だ。
それに、ボタンやスイッチがたくさんついたガンメタのデザインも好きだけどね。もちろん、シンプルなアップル製品も好きだけど。
してやったり
ジョブズの指示を無視した部下の判断が、ジョブズの窮地を救う。スカっと爽やか気持ちいい。
この時、ジョブズは日本のソニーをバカにしてたようだ。1983年のソニーと言えば、「ウォークマン」全盛期のころじゃないか?
このソニ-のエンジニアが、ジョブズに隠れてこそこそ仕事する羽目になるなんて。それでも、ちゃんと仕事を成し遂げる日本人は謙虚でエライ。
ジョブズと、ビル・ゲイツ
むかしから、なんか違和感を感じてた。大技術革命の過渡期に、運と時間の綾に絡まりながら、螺旋を描くようにしのぎを削り合っていたってところか。
この本は、ジョブズの評伝なのに書き方が公平で、一方的にビル・ゲイツを悪く言ったりしていなかった。
「はじめに」へ立ち戻る
ひとの嫌な面ばかりを、あえて、全面に押し出しているような。ビル・ゲイツでさえもけっこう悪鬼雑言を吐く。なんか目をそむけたくなる内容ばかりだ。読むのを止めたい気持ちと常に戦っている。でもところどころ目が離せない。
ここにきて、「はじめに」へ立ち戻って読み返した。ジョブズはこのように包み隠さず書き残して欲しかったようだ。自分の醜いところも、悪行でさえも。人間、死を実感すると何かが切り替わる。そういう事だろう。頑張って➋巻まで読もう。
つまらん
やっと丸くなった感じ。でもなんか違う。
人間的欠陥を持った暴君を、なんとか「いいひと」に見せようとしているのか?それまでやってきた「わるいこと」「ひどいこと」も、必要な過程だったのだと言いたいんだろうか。自己弁護だとは気づかれないように。
と、感じてしまう。自分もひねくれた冷徹人間なのかもしれない。
スポンサーリンク
log・考察➋
正直1冊目は、ジョブズのヤな奴ぶりにストレスが多大で読み切るのは大変だった。
この2冊は 中古で買ったのだが、2冊目を開くと「読まれた形跡」全くない。「しおりひも」が全く動いていないあの感じ。これは新品だ。一度も開かれていない。前の持ち主は途中でくじけたな。
ピクサーと、ラセターと、ジョブズ
1巻の終わりくらいから、ピクサーとジョン・ラセターがちょいちょい出てくる。ジョン・ラセターは、「自分は宮崎駿の弟子だ」と公言してるんだとか😄おもしろい。
「カーズ」は大好きだが、「トイストーリー」はまだ観たことない。観なきゃな。
※ジョン・ラセターへ頭出し済み
ディズニーのカッツェンバーグやアイズナーも絡んできて、この二人の背景を知っているととても面白く読めた。
この本の中ではカッツェンバーグは悪役だね。でも岡田斗司夫さんによると、ホントに悪どいのはアイズナーらしい。ディズニーを立て直した時の話は強烈だった。
※カッツェンバーグとアイズナー
ピクサーとディズニーの背景の情報源は『岡田斗司夫ゼミ』だ。すごい人だな岡田さんは。この2本の動画を観ながら読んだらメチャメチャ楽しめた。
いいこと言う
次々とスライドなんか見せず、ちゃんと問題に向き合ってほしい。課題を徹底的に吟味して欲しいんだ。
自分の仕事をちゃんとわかっている人はパワーポイントなんかいらないよ。
「相手にちゃんとわかってもらうため」にはパワーポイントはあった方がいい思う。相手へ真に言いたいことを伝えるのは大変だ。深層的に正確に伝わるのかと言えば不可能と思ってる。
でも、ここで言いたいこともよくわかる。パワーポイントをきれいに作ることが目的になっている人が多い。会社で見てても。とくに、中の上くらいの管理職たち。
自分が「説明しやすいデータ」に仕上るように、解釈を変えたり、理屈を整理して数字を調整したりしてる(要は改ざん)のを頻繁に見かけるよ。何に時間をかけてるんだ😵無駄だってよく思う。
iTunesからiPod
やっと「iTunes」まできた。ここから先が読みたくて買ったようなもんだ、この本は。「iPod」には、いまでも憧れが残っているが、一度も所有する事なくスマホに至った。波に乗りそびれた。残念。
「iPod」開発の決め手は、なんとあの「東芝」の小型ディスクだった。いろいろ問題を起こしてるけど、やっぱりすごい会社なんだ「東芝」。
東芝といえば、戦後昭和の偉人関係にハマったころを想い出した。城山三郎さんが書いた石坂泰三の評伝「もう、きみには頼まない」とか、「めざしの土光」土光敏夫の自伝・評伝とか。あれはあれで良かった。
カッツェンバーグと、ラセターと、ジョブズ
悪趣味だが、この3人のもめごとを読んでるとおもしろい。
スピルバーグやゲフィンとドリームワークスSDGを創設したカッツェンバーグが、ジョン・ラセターのアイデアを盗んで「アンツ」を製作したという。
※
ドリームワークスSDGのSKGとは、
S...スピルバーグ
K...カッツェンバーグ
G...ゲフィン
なんだってさ。岡田さんの動画が面白いよ。→動画は2本ある
ジョン・ラセターは「バグズライフ」を考案している時に、信用していたカッツェンバーグへストーリーやアイデアを全部話していたらしい。
余談だが、
ジョブズの考えや態度はあまり好きじゃないんだけど、大きく賛同できる言葉があった。自分でも仕事中によく思う。会って話すことが大切だ。
デジタル世界の住人であるにもかかわらず、あるいは、デジタル世界では人々を分断する力が強く働くとよく知っているからこそ、ジョブズは顔を突き合わせた話し合いを重視する。
見直した
気分次第なんだろうけど、有象無象のメールへ「ムキ」になって、或いは「真剣」に議論することができるジョブズ。正面から受けて立ち、自分のエゴや主張を 恐れずにさらけだす、こんな姿勢を見せらると少し胸が熱くなる。
もちろん、言ってることが支離滅裂であればカッコ悪いが、ここでは相手の言い分も熟慮した上で冷静に答えていてカッコいい。
最後に
ヤな奴だったけど、やっぱり輝かしい人。認めざるを得ない。最後に紹介されていた彼自身の言葉。しっくり来たものから、しっくりきた部分だけ写経しておこう。
すごい製品を作る。それ以外はすべて副次的だ。もちろん、利益を上げるのも すごいことだよ?利益があればこそ、すごい製品を作っていられるのだから。でも、原動力は製品であって利益じゃない。
顧客が今後、なにを望むようになるのか、それを顧客本人よりも早くつかむのが僕らの仕事なんだ。
欲しいモノを見せてあげなければ、みんな、それが欲しいなんてわからないんだ。だから僕は市場調査に頼らない。
文系と理系の交差点、人文科学と自然科学の交差点、
この「交差点」が僕は好きだ。
いい仕事をした会社がイノベーションを生み出し、ある分野で独占かそれに近い状態になると、製品の質の重要性が下がってしまう。その代わり重く用いられるようになるのが「すごい営業」だ。
そうして、営業畑の人が会社を動かすようになる。
営業畑の人間が会社を動かすようになると製品畑の人間は重視されなくなり、その多くは嫌になってしまう。
つらかったよ。でも、誰かがやらなきゃいけないんだ。チームをすばらしい状態に保つのは僕の仕事だとずっと思ってきた。僕がやらなきゃ誰もやらないからだ。
なにが僕を駆り立てたのか。クリエイティブな人というのは、先人が遺してくれたものが使えることに感謝を表したいと思っているはずだ。
先人が遺してくれたあらゆる成果に対する感謝を表現しようとするんだ。そして、その流れになにかを追加しようとするんだ。
そう思って、僕は歩いてきた。
覚え書き
この「スティーブ・ジョブズ」には、ビル・キャンベルさんがちょいちょい登場する。
Googleの本「1兆ドルコーチ」は、そのビル・キャンベルさんが主役の本だ。この本を買った流れで、「スティーブ・ジョブズ」が amazonおすすめに出てきた。
両方読んで思うに ジョブズのほうがすごい。確かに輝いてる。ヤな奴だけど認めざるを得ない。悔しい。
アメリカの二宮金次郎やな。🗽